矯正治療は、「見た目」と「かみ合わせ」の2つの治療を行います。
歯科医師としては「審美性」と「機能」という言い方もします。
機能美という言葉をご存じでしょうか?
この言葉は、スティーブ・ジョブズが、(美しい)デザインとは「どう見えるか」ではなく「どう機能するか」の問題であるという発言から有名となりました。
健康で、良好に機能する歯(はならび)は美しいというところでしょうか。受け口や、ガタガタ、出っ歯などの方が、矯正治療後に咀嚼能率が向上したり、虫歯や歯周病のリスクが下がったりというのが例としては挙げられます。この観点から矯正歯科治療は、「機能」の改善が主な目的となります。
一方で、機能的な要素というのは、症状の自覚や比較が難しいこともあり矯正治療を考えるきっかけとしては、「見た目」を治したいという方も多くいらっしゃいます。
矯正治療で見た目をきれいにするというのはとても重要な要素です。われわれも、さまざまな検査結果や患者さんのご要望を聞きながら、「患者さんにとって何がいちばん大切か」を考えながら一緒にゴールを目指し治療をしていきます。
そして、大切なのは「審美性」と「機能」は両立させることができるということです。
「見た目」も「かみ合わせ」も満足して生活をしてもらうこと、それが矯正治療の目標です。
初診相談でもっとも大切にしていることは、「患者さんが何を気にしていて、どうなりたいと思ってらっしゃるかをしっかりと理解する」ということです。ご自身で説明することは、なかなか時間もかかることかと思います、問診票も併用しながら歯科医師が時間をとってお話を伺います。その後、口腔内審査と口腔内スキャナを用いてお口の中の状況の確認を行います。
これらをもとに、まずは、現在のはならびの問題点、治療をはじめるタイミング、治療方法や費用のお話、また治療に対するご要望などもうけたまわります。矯正治療専門のクリニックですので実際の治療における具体的な内容についてもくわしくご説明できます。
治療を開始される方は精密検査へと進みます。もちろん、じっくりと治療を開始するか考えていただいても構いません。予約状況によっては、即日検査も可能になっていますので、早く始めたい方はお声掛け下さい。
精密な治療計画を立てるための検査を行います。
検査内容は、お顔の写真、口腔内写真、レントゲン撮影、オーラルスキャナーなどです。なお、歯型は採らずにオーラルスキャナーにて3次元的画像分析をしますので、歯型採得が苦手な方でも問題ありません。また、デジタルレントゲンは歯科用の低線量装置となっています。
検査結果をもとに、最善かつ最短と考えられる治療計画を立てていきます。具体的な治療方法や機関についてご説明します。費用や支払い方法についてもこの時点でお話ししますので、わからない点はなんでもご質問ください。納得して治療を受けていただけるよう、十分に話し合いを重ねたうえで治療計画を決定します。
患者さんごとに最適な装置を使用して、治療を進めていきます。この間の通院間隔は、通常1か月から3か月ごとになります。
歯の移動が完了すると、すべての装置をはずして治療終了となります。これ以降は保定といって、移動した歯のあと戻りを防ぐためにリテーナーという着脱できる保定装置を装着していただき、歯列を安定させます。歯列の安定には約2年前後かかります。装置をはずしたあとは、3ヶ月~半年に1回ほど受診していただき、歯列やかみ合わせのチェック、口腔内清掃など定期検診を受けていただきます。
当院では、みなさまに安心して安全な治療を受けていただけるよう、リスクや副作用についてあらかじめご説明し、ご理解いただいたうえで治療をおこなっております。よりよい治療結果を生むためには、患者さまの十分なご理解とご協力が不可欠です。なにとぞご理解のほどお願いいたします。リスク・副作用については下記の通りですが、このような症状が必ずしも生じるわけではありません。